推薦・AO入試 : 推薦入試・AO入試の注意点

推薦入試・AO入試の注意点

学生・受験生の皆さん、日々の勉強を頑張っていますか。
八戸の学習塾Rootです。


この記事では、推薦入試・AO入試の注意点について説明します。受験を検討している高校生とその保護者の方は、是非ご覧下さい。

推薦・AO入試の倍率は増加傾向

文部科学省は、① 地方創生のため、学生の大都市・一極集中を緩和する。② 学生に対し、教育の質をしっかり保証する。などを目的として、2016年から大学に対し 「定員管理の厳格化」を求めています。特に大規模大学では、定員超過率が厳しく抑制されることになりました。その結果、対象となる大学では、入学者数を入学定員に近づけるため、合格者数を少なく抑えるようになっています。


合格者数が減少すれば受験倍率は高まり、入試は難化します。この状況を受けて、受験生は「超安全志向」に傾いています。実力相応校であっても不合格になる可能性が高まっていることから、合格確実校よりもさらに安全とされるレベルの大学にも出願するという傾向です。


こうした「超安全志向」は推薦・AO入試にも及び、一般入試の難化を見越して、「推薦・AO入試にも出願して受験機会を増やしたい」という受験生の増加=推薦入試・AO入試の倍率増加に繋がっています。

同一高校からの出願人数制限に注意

一般的に、「国公立大学の公募推薦」と「私立大学の指定校推薦」については、同一の高校から出願できる人数に制限(1名から多くて数名程度)が設けられています。


したがって、出願希望者が多い場合は、高校の中で学内選考が行われます。学内選考では、学業成績、課外活動(部活動・ボランティア活動など)、生活態度などについて総合的に評価されます。

推薦入試・AO入試は「専願」が原則

原則として、合格したら入学を確約できる「専願者」のみが出願できます。止むを得ない事情がない限り、合格後の入学辞退は認められません。*1


自分勝手な都合で入学を辞退した場合、指定校の解除や募集人数の削減などのペナルティがその大学から卒業高校に課されることも多く、後輩たちに多大な迷惑をかけることになります。


*1
私立大学の公募推薦では、併願を認めている大学もあります。

学力試験を課す大学が増加

一部の推薦入試・AO入試について、選考過程において「知識・技能」や「思考力・判断力・表現力」が問われないことにより、本来の趣旨・目的に沿った入試になっておらず、大学生の学力低下の一因になっていると指摘されています。


それに対する改善策として、近年は

  • 大学入試センター試験や、大学独自の学力検査を新たに課す。
  • 出願条件に資格や検定の取得を新たに加える。あるいは、取得レベルの最低基準を引き上げる。
  • 資格や検定の取得を選考時の加点要素として新たに加える。

大学が増加しています。

受験対策や合否の予想は難しい

推薦入試・AO入試の選考方法は、書類審査、面接、小論文などが中心です。学力検査と異なり、これらの選考方法には、確固とした解答がありません。


したがって、受験対策によって自分の能力が合格ラインに達したかどうかの判断や、受験後に合否の結果を予想することは困難です。*2


実際、小論文や面接で手応えを感じても、不合格となっている受験生は少なくありません。


*2
私立大学の指定校推薦は、特別な事情がない限り不合格にならないと言われています。

一般入試の受験勉強への影響に注意

推薦入試・AO入試と一般入試では、異なる準備と対策が必要です。


したがって、一般入試へ向けての受験勉強が本格化していく夏〜秋の時期に、(受験勉強と並行して)推薦入試・AO入試のために多くの時間と労力を割かなければなりません。


また、推薦入試・AO入試の受験後に、

  • 何の根拠もなく「合格できた・受験が終わった」と楽観的な判断(勘違い)をしている。
  • 一種の「燃え尽き症候群」に陥ってしまい、受験勉強に対するモチベーションが上がらない。
  • 推薦入試・AO入試の「不合格」による精神的なダメージを引きずってしまう。

などにより、一般入試へ向けた勉強に気持ちを上手く切り替えられないケースもよく見かけます。


推薦入試・AO入試の受験生は、これらのリスクを十分に理解し、注意しなければなりません。

推薦入試・AO入試という機会を活かすには

推薦入試・AO入試を受験し、その機会を活かすためには、以下の条件をクリアしているかどうかを確認しましょう。

  • 推薦入試・AO入試で受験する大学は、第1志望の大学である。
  • 出願条件やアドミッション・ポリシーを満たしている。
  • 面接や小論文などに対する強い苦手意識がなく、受験対策による伸びしろが期待できる。
  • 推薦入試・AO入試の準備・対策と並行して、一般入試へ向けた受験勉強も頑張る覚悟がある。