2020年度からスタート!小学校での新しい英語教育

小学校での新しい英語教育

八戸の学習塾Rootです。


この記事では、2020年度から小学校でスタートする新しい英語教育について説明します。小学生のお子さんがいらっしゃる保護者の方は、是非ご覧下さい。

スタートはいつから?

2020年度から正式スタートします。

学習指導要領が改定され、2020年度から小学校の学習カリキュラムが改められます。それに伴い、小学校・5年生から正式な教科「外国語」として英語を学ぶようになります。

2018〜2019年度は移行措置期間です。

2018〜2019年度は、2020年度の準備期間になります。授業時間数、使用する教材、成績の評価方法などについては、各自治体・学校の実態に応じて様々な対応が考えられます。


「うちの子の学校の授業が、他の学校と違う」と心配される方もいらっしゃると思いますが、今は移行措置期間であるということを理解し、落ち着いた対応が求められます。

学習カリキュラムの変化は?

2017年度以前の学習カリキュラム

  • 小学校・5〜6年生で、教科ではない「外国語活動」として英語を学んでいます。
  • 年間の授業時間数は35コマ(1週間に1コマ程度)の設定です。
  • 英語に親しむことを目的としており、「聞く」「話す」ことが学習のメインになっています。「読む」「書く」ことについての学習が本格的にスタートするのは、中学校以降です。
  • 教科ではないので、多くの自治体・学校で成績の評価は行われていません。

2018〜2019年度(移行措置期間)の学習カリキュラム

  • 小学校・3〜4年生で「外国語活動」に取り組み、小学校・5〜6年生で「外国語」という教科として英語を学ぶようになります。
  • 年間の授業時間数は、50〜70コマの範囲で、それぞれの自治体・学校の実態に合わせて対応します。
  • 移行措置期間中に使用する教材の選択は、各自治体や学校に委ねられています。
  • 成績については、観点別に3段階評価が行えますが、移行措置期間中は文章表記やコメント・シートでフィードバックする学校、評価そのものを行わない学校など、対応は様々です。

2020年度以降の学習カリキュラム

  • 小学校・3〜4年生で「外国語活動」に取り組み、小学校・5〜6年生で「外国語」という教科として英語を学ぶようになります。
  • 年間の授業時間数は、「外国語活動」が年間35コマ(1週間に1コマ程度)。「外国語」が年間70コマ(1週間に2コマ程度)の設定です。3年生~6年生の4年間をトータルすると、小学校における英語の授業時間数は2017年度以前の3倍になります。
  • 中学校以降の英語への繋がりを意識し、「読む」「書く」ことにも力が入れられます。単語については、(小学校・3~6年生の4年間で)600~700語程度を扱うという目安が示されています。
  • 「外国語」は正式な教科ですので、他教科と同様に成績評価がつけられます。

具体的な学習内容は?

扱う単語数は600~700語程度です。

単語については、(小学校・3年生~6年生の4年間で)600~700語程度を扱うという目安が示されています。


現行の学習指導要領では、中学校・3年間の英語で扱う単語数は1200語程度とされています。これと比較すると、4年間かけて学ぶとはいえ600~700語程度という数には、それなりのボリューム感があります。

身近なものや会話で使う単語が中心です。

小学校の英語で扱う単語は、日常生活の中で使う表現や会話のために必要なものが中心になります。


例えば、身近なものの名称や月や曜日を表す言葉、職業を表す言葉、基本的な修飾語、数や回数の数え方、頻度を表す言葉などです。加えて、連語や慣用表現なども学習します。

発信型の英語表現をしっかり学びます。

小学校の英語では「コミュニケーションの基礎となる資質・能力」の育成を目標としているため、「言葉を使う場面」や「言葉の働き」を中心に学習します。


「言葉を使う場面」とは、日常生活に関わる場面や、挨拶、買い物などの特有の表現が使われる場面のこと。「言葉の働き」とは、場面に応じたコミュニケーションを円滑にする言葉(相づちを打つ、聞き直す)や、気持ちを伝える言葉(お礼を言う、謝る)などのことです。


英語に対する苦手意識やつまずきの原因になりやすい文法事項の学習には敢えて踏み込まず、コミュニケーション能力の基礎を養いながら英語に取り組んでいけるよう工夫されています。


文法事項毎の単元構成が多い中学・高校の英語とは趣が異なります。

中学校の英語教育への影響は?

今回の英語教育改革の中で、中学校の英語は、小学校、高校と同様にレベルアップします。


まず、扱う単語数が大幅に増えます。次期学習指導要領では、中学校で1600~1800語程度、高校で1800~2500語程度を扱い、小学校から高校卒業までに合計4000~5000語程度を扱うものとされています。


また、連語や慣用句などについて、これまでの学習指導要領には具体的な例示がありましたが、次期学習指導要領では「活用頻度の高いもの」という表現に変わり、教科書によっては従来よりも扱う数が増える可能性があります。さらに、現在は高校で学習している現在完了や仮定法などの文法事項も中学校で扱うようになります。


導入的な内容を小学校で済ませるようになる分、中学校の学習を充実させ、高校での飛躍に繋げるという連携も強化されていきます。

2020年度へ向けての心構えは?

英語が教科となり、成績評価をつけられることに不安を感じる方もいらっしゃるでしょう。


以前と比較して小学校で習得すべきことが増えるのは確かです。だからといって、無理に詰め込み式の勉強をさせたのでは「英語嫌い」になりかねません。反対に「英語で話すのが好き」というお子さんには、英語に接し、学ぶ機会を多く作ってあげることで、さらに力をつけることができるでしょう。


大切なのは、お子さんの様子を見ながら英語の学習に対する興味を上手に引き出し、意欲を持たせること。同時に、中学校入学の時点で子どもの理解度や習熟度に遅れが生じないように気を配っていくことだと思います。